弁護士の永田です。
弁護士登録後間もなくして法テラスと国選弁護人契約を締結したのですが、10月初め頃に刑事の被告人国選事件の割り当てがあり、11月下旬に公判期日に臨みました。今回は初めて受任した刑事事件についてのお話です。
検察官が公判請求(起訴といいます)をすると、刑事裁判が開かれます。刑事裁判では、最初に、裁判所が被告人に氏名や生年月日、職業、住所、本籍等を尋ね、出頭した者が被告人本人であることを確認します。確認後、検察官による起訴状の朗読が行われます。次に、裁判所から被告人に対し黙秘権などについての告知がされます。そして、被告人及び弁護人が起訴状に記載のある罪について認めるのか争うのかを明らかにします。以上の冒頭手続が終わると、証拠調べ手続に移ります。同手続では、通常、検察側から冒頭陳述が行われ、立証しようとする事実が明らかにされます。刑事裁判では、犯罪事実について検察官が証明する必要があり、弁護側は検察官の証明を覆す事実や被告人に有利な別の事実の立証を行います。証拠調べ手続が終わると、同手続によって明らかになった事実をもとに検察官は量刑についての意見(求刑)を述べ、弁護側からも犯罪の成否及び量刑等について意見を述べます。そして、最後に被告人が事件についての意見を述べます。裁判所は、検察官及び弁護側の意見、被告人の発言や態度を踏まえて、後日判決を言渡します。
刑事裁判の手続は概ね以上のようになっています。
受任後程なくして検察官から証拠の開示を受けました。弁護人は、証拠の開示を受けると証拠意見(検察官が請求した証拠を裁判所が採用するかどうかについて賛成又は反対の意見)を述べなくてはいけません。各証拠につき、採用する必要性が認められるかどうかを慎重に検討しました。その結果、一部の警察官面前調書については不同意とし、その他の証拠は同意するとの意見を述べました。
刑事裁判では、被告人が裁判官や検察官、弁護人から直接質問を受ける手続があり、これを被告人質問といいます。私なりに準備をして臨んだつもりでしたが、法廷で期待した答えを引き出すことはできませんでした。検察官からは詳細かつ具体的な質問が投げかけられており、法廷という場において、対立当事者から学ばせてもらう形になりました。
今回が私にとって初めての刑事事件でした。当事者(弁護人)として初めて立つ法廷で極度の緊張に呑まれたのか、被告人に質問する際の自分の声は震えていました。
内容面についても、もっと弁論要旨の構成を改良できたのではないか等、振り返ると多くの課題が見つかった刑事弁護活動でしたが、時間に制約がある中で、自分の頭で悩み抜いて処理方針を考えた上で、一人で法廷に立つという、貴重な経験をすることができました。
今回の事件は、私が初めて単独で受任した事件でもあります。今後も少しずつ先輩弁護士の手を離れて一人で事案の処理に当たることになります。戸惑うこと、悩むことは沢山あると思いますが、様々な事案をこなしながら、弁護士としての自信を少しずつ付けられるようになれたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
弁護士 永田智大(本部オフィス)

