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年金は今後減り続くのか?~連載①~

*本稿は、「いきいき健康第83、84号(2019年11月、2020年1月)」(福岡医療団発行)にも掲載されたものです。


深刻な年金問題~将来の安心をどう維持するのか

 老後資金に平均2000万円不足するとの金融庁の発表以来、年金問題への関心が高まったように思われます。2000万円という額も後述するマクロ経済スライドを考慮していない額で、それが続けば3000万円以上になると指摘する専門家もいます。
 しかも、そもそも2000万円という額は夫65歳、妻60歳の時点で夫婦が合計22~23万円の年金を受給している世帯が基準(今後30年生存)になっています。年金受給額がそれより少ない世帯はさらに深刻になります。


少子・高齢化問題を理由に減らされ続ける年金

 政府・厚労省はこの間、少子・高齢化を理由に年金受給額を様々な仕組みを作って減らし続けてきました。
 厚生年金は、以前は60歳から(女性は55歳)支給されていました。経過措置を経て数年後には男女とも完全に65歳支給になります。年金の計算式も若い人ほど少なくなるよう乗率を調整しており、財政検証、マクロ経済スライドなど一般の人にはわかりにくい用語を使って真綿で首を絞めるようなやり方で年金額を減らし続けています。勿論、国会での諸手続き(法改正)を経て、即ち、自公政権が長年選挙で多数を占めてきた結果とも言えますが、果たしてやむを得ない現実だったのかを検証してみる必要があります。一つが少子高齢化の問題であり、もう一つが積立金の運用の問題です。
 最近、大きく取り上げられるようになったマクロ経済スライドも少子高齢化の問題が背景にあります。高齢者が増加し年金受給者世代が増える一方で、保険料を納付すべき若者世代が減少すれば年金財政が成り立たなくなり持続可能な年金制度が維持できなくなります。
 従って、本来物価が上昇したら年金額も同じ割合で上げるべき(物価スライド制)なのに、一定の調整率(0.9%)を減額して計算し、それを2043年まで続けるというのがマクロ経済スライドの本質です。
 その結果、基礎年金(国民年金)が本来もらえる額の3割カットされ、満額6万5千円が約2万円削られます。本当に恐ろしい仕組みです。

(次回につづく)


社会保険労務士 木下 淑文(本部オフィス)

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