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朝倉市職員による贈収賄事件について

昨年、当時朝倉市復興推進室係長であった職員が、「特命随意契約」にて復旧工事を受注した会社から賄賂を受け取ったとされる事件が明らかとなりました。
朝倉市は、不祥事再発防止委員会を立ち上げ、昨年12月に報告書(案)を議会に提出しました。
しかし、この案では、同係長が関わったそのほかの復旧工事の発注については何ら調査されていません。また、今回問題となった「特命随意契約」の是非についても明らかにされていません。

本来、公共工事を発注するには競争入札制度を利用するものとされています。それは、公共工事には税金が使われるためです。他方、特命随意契約は、自治体が指名した業者との間で契約を結ぶものですので、競争の原理が働きません。
この「特命随意契約」が今回の贈収賄の温床になったことは言うまでもありません。今後、朝倉市がいう「再発防止」の観点からは特命随意契約の在り方を変える必要があるでしょう。

また、平成29年7月九州北部豪雨朝倉被災者を支える会にて独自に、復旧工事の発注について調べたところ、競争入札においても、市が決めた予定価格とほぼ同額で落札されているものがほとんどです。また、入札に参加した業者のほとんどが辞退しており、競争入札においても事実上競争の原理が働いていません。これでは、談合を疑われても仕方ないのではないでしょうか。

今回の贈収賄事件に関して平成29年7月九州北部豪雨朝倉被災者を支える会は、朝倉市と協議を行う予定(令和3年1月下旬~2月上旬の予定)です。
今回の問題で今なお再建半ばの被災者をはじめ多くの市民は落胆、失望したことと思います。市民が再建に尽力しているなかで一部の人間が甘い蜜を吸っていたのですから。
今回の問題を当該係長個人の資質の問題として終わらせるのではなく、朝倉市政をよりよくするきっかけにできればと思っています。

弁護士 坂口裕亮

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