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市民活動

福津市の市民意向調査に参加して

この9月から10月にかけて、福津市で「学校新設などに関する市民意向調査」にコーディネーターとして参加させていただきました。

普段は環境問題やマンション紛争などに市民の立場で関わることが多いのですが、今回は行政の立場から、しかも市民の意見を引き出していくファシリテーターという初めての体験でした。まずは聞きかじったことしかなかったファシリテーターの役割を勉強しなければと本屋さんに走り、何冊か本を買って勉強することから始めました。普段から様々な会議を主催することも多いのですが、技術的なことをちゃんと勉強したのは初めてのことで、新鮮な気付きがありました。また、これまた馴染みのなかった地方自治体の教育行政についてもこの際勉強しようと思い、アマゾンで何冊か書籍を注文したのでした(まだ帯が付いた本もありますが。。)。

かくして、市民意向調査が始まりました。

参加されたのは、無作為抽出された2000人の中から応募のあった45名の福津市民の皆さんです。

初日(9月20日)   グループワーク
2日目(9月26日)  学校建設候補地の視察
3日目(10月3日)  福津市長と教育委員会のプレゼンテーションと質疑
最終日(10月11日) グループワーク

という約1か月にわたる調査でした。

まず、私にとって最初の驚きは、福津市の職員の皆さんのこの市民意向調査にかける熱意です。決して「ガス抜き」ではなく、市民の意見をいかに市政に反映させようとしているのか、週末返上で準備される職員の皆さんの姿から、その真剣さがビンビンと伝わってきました。

次の驚きは市民の皆さんです。初日のグループワークから、市民の皆さんからは様々な意見が飛び交いました。

私も学校建設や過大規模校の解消に向けた国のガイドラインなどを予習していましたが、様々なバックグラウンドを市民の皆さんから出された意見によって、検討のために必要な視点や論点もほぼ出尽くしました。これには素直に感心しました!

2日目の現地視察、3日目のプレゼンテーション・質疑にも、ほとんどの方が週末返上で参加され、特に3日目の質疑では、私の司会力の問題もさることながら、途切れることがない質問の応酬に、終了時間が1時間半もおしてしまいました。

最終日のグループワークでは、これまでのワークを振り返り、それぞれのグループで出された意見が共有され、約一か月にわたる市民意向調査は終わりました。

慣れない役回りでしたが、市民に対する行政のスタンスや信頼関係の築き方次第では、市民はちゃんとまちづくりの主人公になれるんだ、その力が十分にあるんだと再確認できた貴重な機会になりました。

市民の皆さん各人の提言は追って福津市に集約されるそうですが、そこで出された住民一人一人の思いがしっかりとこれからのまちづくりに反映されることを願ってやみませんし、この市民意向調査で知り合えた福津市の職員の皆さんであれば、きっとそのようなまちづくりをされるのだろうとも確信しています。

市民意向調査の様子は福津市のホームページでご覧いただけますので、ぜひご覧いただき、福津市の皆さんのまちづくりにかける熱気を感じてみてください。

https://www.city.fukutsu.lg.jp/bunka/kyoiku/6560.html

弁護士 池永 修(本部オフィス・福岡市東区)

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~マイナンバーと監視社会を考える~講演会のお知らせ

マイナンバー違憲九州訴訟弁護団では、来月12月25日の控訴審第1回期日に先立ち、監視社会化に警鐘を鳴らし続けてきた第一人者であるジャーナリストの斎藤貴男さんをお迎えして、『マイナンバーと監視社会を考える~個人の自由は「利便性」の犠牲となるべきか』と題した講演会を開催します。

現代国家が向かいつつある監視社会の実態やその是非について、みなさまと一緒に考えていきたいと思います。

入場無料・予約不要となっております。ご興味のある方は是非ご参加ください。

日時 2020年12月19日(土)14:00~17:00(13:30開場)
会場 福岡県弁護士会館(福岡市中央区六本松4-2-5) 3階301会議室
主催 マイナンバー違憲訴訟九州弁護団

 

(新型コロナウィルス感染症をめぐる今後の状況によっては中止となる場合がございます。その場合は当ウエブサイトにて告知しますので、ご確認ください。)

詳細は下記ちらしをご覧ください。

マイナンバーと監視社会を考える 講演会

 
弁護士 池永 修(本部オフィス・福岡市東区)

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春日市東浦・西浦地区における土砂搬入禁止仮処分において事業者との和解が成立

春日市東浦西浦地区において、環境改善工事の名のもとに、建設残土などの廃棄物混じり土が15年以上もの間搬入され造成され続けているという事件で、令和2年1月16日、地権者22名が福岡県、春日市、及び事業者2社を相手に土砂等の搬入禁止、土砂等の撤去等を求める訴訟を福岡地方裁判所に提起しました。これと併せて、土砂等を搬入していた事業者と春日市とを相手に、土砂搬入等禁止の仮処分も申し立てました。

詳しい事実関係・事実経過は、地権者の方々によるホームページがありますので、ぜひそちらをご覧ください(「うらうら通信」というとても分かりやすくまとめた会報誌もDLいただけます。)。

東浦西浦被害者の会HP

仮処分では、計5回の審尋期日が開かれ、去る本年9月4日、事業者との間で、本裁判が終了するまでの間、地権者らの土地を含む対象地区内に土砂を搬入しないことを内容とする和解が成立しました。(春日市も含めた三者での和解を望んでいましたが、春日市は理由なくこれを拒否したため、事業者のみとの和解となりました。)

地権者の方々はこれまで長い間、春日市、福岡県に対して、自分たちの土地が不法に埋め立てられていることを訴え続けていましたが、何ら有効な措置は講じられず、地権者らの声は無視され続けてきました。

今回の和解は、仮処分での和解であり、本裁判が終わるまでの暫定的なものではありますが、15年以上もの間野放しにされ、建設業者等の都合のいいゴミ捨て場と化していた状態を止めることができたのは、地権者の方々にとって全体解決に向けた非常に大きな前進となりました。

本裁判は、コロナウイルスの影響で、本年9月3日に漸く第1回口頭弁論期日が開かれ、まだ始まったばかりです。全体解決に向けて、引き続き原告の皆さんと一緒に頑張っていきます。

福岡市のおとなり、春日市の東浦西浦地区で一体何が行われているのか、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。ぜひ一度ホームページをご覧ください!

弁護士 松嶋 健一(本部オフィス・福岡市東区)

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アドボカシーセンター主催講演会に参加して

今月10月2日、NPO法人九州アドボカシーセンター主催の講演会に参加しました。

「カルロスゴーンはなぜ逃げた!?どうなっている!?日本の刑事司法」
~国際水準からみる日本の『人質司法』~(講師:上田國廣法律事務所 上田國廣先生)

コロナ対策として、初の試みであるZOOMによるインターネット上での講演の生中継や、会場の座席の間隔を十分に空けるなど対策がとられていました。

講演の内容は、2018年の日産自動車前社長カルロス・ゴーン氏の逃亡事件を題材に、国際的な水準から日本の刑事司法のあり方について考えるというものでした。ゴーン事件そのものの当否ではなく、外国人であるゴーン氏が逮捕後に受けた扱いから日本の刑事司法がどう見えたのか、それを受けどうあるべきかを考えるという内容でした。

具体的にゴーン氏は逮捕後、このような扱いを受けたとのことです。
・一日8時間の取り調べを弁護士なしで受ける。
・小さな監房に勾留される(監房の外に出られるのは一日30分のみ)。
・入浴は週2回
・保釈後も家族(配偶者)に会えない等々。
さらに、日本の有罪率は99.4%であり、裁判がすべて終わるまでには10年はかかるという弁護士の見解を聞き絶望の後逃亡に至ったのではないか、というのがゴーン事件の経緯です。

憲法で適正な裁判を受ける権利が保障されているにもかかわらず、日本ではなぜこのような制度が長年改善されないのかというと様々な原因があるのですが、歴史的に捜査機関(国)側が制度の運用の面で強く、被疑者の権利を拡大する原則とその例外の逆転化が起き、制度の空洞化が起きているという事実があります。また、市民のあいだにも犯罪者に手厚くする必要はないという意識が少なからずあること、そもそもの関心の薄さから、改善が難航しているという現状があるとのことでした。

講演の最後に、このような現状での弁護士の役割についてお話がありました。
「弁護士は人権保障に大きな役割を果たすことが期待されていることから、憲法に規定された唯一の民間の職業である。個々の事件で被告の人権を守るため適正な手続きをとることに尽くすことが大切であり、現状でも犯行の態様やそこに至る経緯を十分に捜査することで役割をはたす事ができる。」

今回の講演を受け、私も法律事務所の職員として、より丁寧な対応を心がけるとともに、市民として刑事司法にもっと関心を持ち、今回のような講演に参加する機会があれば、積極的に参加し、意識を高めていきたいです。

本部オフィス(福岡市東区) 事務局I

~NPO法人九州アドボカシーセンターとは~
NPO法人九州アドボカシーセンターは、人権派弁護士を目指す学生を支援するため、法科大学院制度が導入された2004年に設立した特定非営利活動法人で、福岡県をはじめ、九州各県の法律事務所、弁護士有志からの協力と財政支援をうけて運営しています。詳しくは当法人HP内の「NPO法人九州アドボカシーセンターの活動」をご覧ください。

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事業所から出るごみについて~福岡市で分別ルールが変わりました~

本年(2020年)10/1から、福岡市では事業所から出るごみの分別ルールが変わりました。

今まで、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」と区分していたところに「古紙」が追加され、3分別となりました。「古紙」には様々な種類があり、福岡市がチラシやHP上(https://city-fukuoka-gomi-bunbetsu.jp/#step01)で配布している『古紙分別図鑑』に例示されているだけでも32種類あります。今まで燃やされていただけの古紙をリサイクルし、循環型社会の実現に向かうという取り組みが始まったのです。

当事務所でも、さっそく事務所内に『古紙分別図鑑』を掲示し、従業員一人一人がごみを捨てる際に分別を行うこととなりました。この図鑑ですが、当初は「えぇ!こんなにたくさんの種類が…」と頭を抱えたのですが、まずは、今まで通り「燃えるごみ(リサイクルに混ぜられないもの)」として処分する代表5種類を覚え、それ以外については随時図鑑を見ながら古紙にあてはまるか確認という形で進めていくと良いようです。

事務所内には分別のための段ボールが随所に設置され、ごみ出しの仕方についてもあらためて話し合いました。始まったばかりなのでまだまだ図鑑とにらめっこですが、毎日見ているとそのうち覚えられそうな気はします。ちなみに、当事務所ではたくさんの機密書類を扱いますが、それらを廃棄する際もリサイクルできる紙であれば「燃えるごみ」では出せなくなったため、従前通りシュレッダーにかけた後、古紙として出すこととなりました。

ということで、これから当事務所から出た古紙がリサイクルされ、どこかでまた役に立つと思うと、微力ながらリサイクルに参加している感じが出てきました(そしてこの微力が集まってこそ大きな力になるのですね!)。

本部オフィス(福岡市東区) 事務局K

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「スポーツの秋」

秋の運動会シーズンとなりました。

先日、私の子どもの保育園でも運動会が開催されましたが、今年はコロナ禍での運動会ということで、例年とは全く違った形での開催となりました。

検温してマスク着用、参観人数を制限し、観覧席も間隔をとり、時間も短縮する等、「3密」を避けるための対策が徹底され、制限がある中でも子どもたちが楽しめるよう競技や演技に様々な工夫がなされていました。子どもたちは元気いっぱいに体を動かし、保護者からの声援を受けながら一生懸命にゴールを目指していました(私の娘は、「練習は一生懸命走って5番だったのに本番は3番だった!」と大喜びでした)。

今年度はほとんどの保育園行事が中止に追い込まれている中、1時間半というあっという間の運動会でしたが、お天気にも恵まれ、子どもたちの一生懸命な姿に癒された週末となりました。

福岡市立の学校では今年の運動会・体育祭等は実施しないことが決定されているため、多くの学校において子どもたちの思い出づくりのために様々な知恵が絞られているようです。

新型コロナウィルスの影響でスポーツの秋も様変わりしそうですが、できないことばかりを嘆くのではなく、工夫をしながら、変化も前向きに受け止めていければと思っています。

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本部オフィス事務局W

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台風対策をお早めに

我が家の庭の入口には、アルミ製らしき扉が付いています。

いつの頃からか、その扉の取っ手が回らなくなり、修理しようとしたらネジ頭が潰れてお手上げになりました。

庭に盗られるような物も置いていないので、とりあえず扉の後ろに石を置いて、風でバタバタしないようにしていたのですが…。

台風9号が福岡に来ていた深夜、石が吹き飛ばされたのか、その扉が、バタバタと風であおられて、大きな音を立て始めました。

このままじゃご近所迷惑だからと妻にせっつかれ、庭へ。一時は立っていられない程の突風にあおられながら、扉の取っ手に紐を巻いたり、扉の後ろに石を置き直して、さらに大きめのプランターを置いたりして、何とか扉が動かないようにしました。

それにしても、すごい風でした。台風の日に屋根の修理に出て落ちたとか、田んぼの様子を見にいって水に呑まれたといったニュースを見るたび、台風の日は外に出たらいけないよと妻はつっこんでいましたが、まさか自分が同じような目に遭わされるのか、と一瞬考えちゃいました。

朝、庭の縁石が吹き飛んでいたり、玄関前の木が倒れたりという被害を確認して、台風の恐ろしさを改めて感じました。

 

さて、ほとんど間髪入れず、という感じで、台風9号を上回る台風10号が、九州に接近中です。

応急措置のプランターなんか吹き飛ばされちゃうかな、どうしよう、と思案中です。

皆さん、台風対策はお早めに。そしてやっぱり、台風が来ている時は、外に出ないようにしましょう!

 

本ホームページのお知らせ欄でもご案内しておりますとおり、台風10号の襲来が予想される9/7(月)の午前中は、本部オフィスはお休みさせていただきます。他オフィスも午前または終日お休み予定です。状況次第で、午後も休ませていただくことがあります。ご了承ください。

 

弁護士 甫守一樹(本部オフィス・福岡市東区)

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祖母の被爆体験記~連載②

8/6付け本ブログの続きです。

私は被爆2世です。

父が生後4ヶ月のころに爆心地より4.5㎞の長崎市内の自宅にて家族で被爆したそうです。

当時の混乱で被爆者認定は受けていませんし、当然、父には被爆時の記憶はなく、今となっては当時の様子を知る父方の祖父母に話を聞くことも出来なくなりました。

母方の祖母も同じく被爆者です。原爆投下75周年を迎えるにあたり、減少する被爆体験者に代わって、今回はその祖母の被爆体験を残します。

 

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3 終戦、その後

終戦は玉音放送により知った。はっきりと全ての意味は分からなかったが、どうやら戦争に負けたということだけは理解した。当時の噂で、女、子どもはアメリカ軍に見つかれば、酷い目に遭わされ殺されると聞いていた。そのため終戦直後2、3日は、母と、森や人気のない場所を、目に見えない敵に見つからぬよう隠れ潜んだ。その間母と、「どげんしょうかねえ。」と今後を案じた。

その後もしばらくは疎開先の親戚の家に身を寄せていた。田舎だったためか、当時にしては比較的米などの貯えのある家だったが、戦争で充分に物資のない時代、母と二人、肩身の狭い思いでそこを過ごした。その家には、余所から蓄えを恵んでもらいに来る人もいたが、明日どうなるかもわからない時代に、余所様に恵むような心の余裕などなかったのか、余った米には虫が湧き、なんとも言えない饐えたような臭いが漂っていた。

 

―その時のことを祖母は、「時代がそうさせたとやろ。」と言っていた。―

 

長崎市内の自宅に帰り着いたのは、終戦を迎え1ヶ月が経ってからだった。自宅に戻ってみると、家のガラスはすべて割れ、家具や瓦もずれている。畳の繊維が爆風によってすべて峙って、雨漏りのために家の中にはきのこが生えて腐れており、とても靴を脱いで上がれる状態ではなかった。その為、やっとたどり着いた家の中のものは畳も家具も全て捨て、しばらく何もない床板の上で過ごすこととなった。

そんな状況から、ひとつずつ生活を建て直していった。

以上

 

*********

 

祖母は、帰り着いた故郷で祖父とともに開いた商売を晩年まで50年以上続けて、戦後の復興に貢献した一人だと、私は誇りに思っています。そんな祖母は自ら戦争を語ることはおろか、メディアで戦争や原爆の話題を見聞きすることさえ嫌っていました。私に被爆当時の話をしてくれたのも、晩年に近い年の93歳のころでした。当時を語る被爆者が高齢化により少なくなっていく現状の中、国の被爆体験を残す事業に協力することになり、被爆後70年を経て、ようやく当時の体験を残しておくこと決意をしたのだと思います。祖母ら被爆者の被爆体験は、長崎市の平和祈念館で閲覧することが出来ます。

私たち日本人の現在の平和な生活は、当時の犠牲とそれを乗り越え再建してきた人たちが積み重ねてきた努力のうえにあるものです。

現在、コロナ禍で戦っている、今を生きる私たちも、目に見えない敵の恐怖に脅かされ、心身ともに蝕まれていることがあるかもしれません。しかし、あの凄惨な原爆から復興してきた祖母たちのように、私たちはこれを乗り越え新しい未来をひとつずつ構築出来ると信じています。

 

コロナ禍の中、最前線で戦う皆様ありがとうございます。私たちの事務所はテレワークやこまめな消毒などで自分たちに出来ることからコロナ禍と戦います。まだまだ先は見えませんが、明るい未来を信じて頑張りましょう!!

 

本部オフィス(福岡市東区) 事務局S

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祖母の被爆体験記~連載①

私は被爆2世です。

父が生後4ヶ月のころに爆心地より4.5㎞の長崎市内の自宅にて家族で被爆したそうです。

当時の混乱で被爆者認定は受けていませんし、当然、父には被爆時の記憶はなく、今となっては当時の様子を知る父方の祖父母に話を聞くことも出来なくなりました。

母方の祖母も同じく被爆者です。原爆投下75周年を迎えるにあたり、減少する被爆体験者に代わって、今回はその祖母の被爆体験を残します。

 

本部オフィス(福岡市東区) 事務局S

 

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1 自身について

大正9年生まれ。父親、兄二人は、結核などの病気により戦前に若くして他界。その後は母親と二人、爆心地より5㎞の長崎市内の自宅にて生活していた。

2 原爆投下前後の足取り

戦争が終わりに近づき激化したことから、佐賀県鹿島市に母が疎開した。

昭和20年8月8日の夕方、疎開先の母に着替えを持って行き、その日はそのまま疎開先に宿泊した。

昭和20年8月9日11時2分、「ドーン」という大きな音と共に衝撃を受ける。「なんやろうか。」と母と心配しあったが、すぐには情報が入らない。しかしその日のうちに、長崎市に大きな爆弾が落とされたと人づてに聞いた。

昭和20年8月10日、自宅や勤務先の会社が心配になり、身を案じて引き留める母を残し汽車で長崎市へ向かった。途中で汽車から降りて草むらに隠れるようなこともありながら、汽車で行けたのは長崎市の道ノ尾駅まで(爆心地より3.8㎞)。仕方なくそこで下車し、駅員には行かないほうがいいと言われたが、自宅に向かって線路伝いに歩き出した。

爆心地に向かうにつれ、周囲に目を向けることも憚られるほどの地獄のような惨状が広がっていった。汚れたような、酷い怪我や火傷をした人が列をなして徘徊していた。うずくまり、倒れ、生きているのか死んでいるのかも分からない担架に乗せられた人がそこら中に並べられた光景を目の端に、もはや道とは言えないみちを、熱気と臭気で気分が悪くなりながら、なるべくその光景を目に入れないよう、耳に入れないように下を向いて目的地の自宅を目指した。

やっとの思いで大橋(爆心地より1㎞)の手前まではどうにか辿り着いた。が、あまりにも果てしなく続く惨状に、ここから先は行かないほうがいいと言われたことで、急に恐ろしくなりその先を進むことを断念して再び下車した道ノ尾駅へ引き返した。

道ノ尾駅で帰りの汽車に乗ろうと待ち続けるも、「怪我人が先!元気なものはあと!」と汽車が到着する度に言われ続け、早く母の元に戻りたいのになかなか乗車出来ない。そうこうして何台も汽車を見送り、すっかり日も暮れたころに、旧国鉄の知り合いの名前を出して懸命にお願いしたところで、ようやく一番最後の車両に乗り込むことができた。

しかし、その車中でも周りは包帯を巻いた酷い怪我や火傷を負った人ばかり。自身には目立った怪我もないことで、一層居心地が悪く、ここでも何も目に入らぬよう、耳に入らぬよう悪臭と混雑のなか、身を小さくして到着駅まで過ごし、どうにか疎開先の鹿島に帰り着いた。

~次回、「3 終戦、その後」をご紹介します~

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レジ袋有料化

昨年、消費税増税に伴い導入されたキャッシュレスポイント還元事業が、6月末で終了しました。赤いポスターが目印で、至る所で目にしたものでした。

代わりによく見るようになったのは、プラスチックごみ削減のためのレジ袋有料化の張り紙でしょうか。以前からスーパーでは有料としている店も多かったですが、コンビニやドラックストアでもその対象になりました。

ふらっと立ち寄ったコンビニで、「袋持ってない!」と思い出し、数円払うことが度々。わざわざ袋を買うのは勿体ないと思い、手に持ったまま持ち帰るなんてことも。こんな時、小さく折りたためるバックを1つ、常に鞄に入れておくと便利ですね。

ソーシャルディスタンスやマスク着用が新しい生活様式として定着しつつありますが、「お出かけの際にはエコバック」も当たり前になっていくのでしょうか。環境に優しい行動を心掛けたいと思います。

本部オフィス(福岡市東区) 事務局K

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