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Monthly Archives: 9月 2017

災害ボランティア(4)

9月1日防災の日。この日は、第4班として本部と宗像より体力にあまり自信がない事務局2名が参加しました。主にボランティアセンターの情報を報告します。なお以下は9月初め時点の情報です。

現地に近づくにつれ、これまでテレビなどの映像で見ていた災害現場を目の当たりにし、段々と口数も少なくなりながらボランティアセンターに向かいました。センターに到着したところ、なぜか閑散とした感じがあります。受付後のオリエンテーションも私たち2名のみで、後で聞いたところによると、この日はいつになくボランティアの参加が少なかったようです。

ただ、人数は少ないながらも、どこからどう見ても屈強なボランティア経験者ばかりが集まっているようで、この中で作業に行っても迷惑を掛けてしまうのではないかという不安が募り、思い切ってセンターの方に体力に自信がないことなどを相談し、センターのお手伝いをさせていただくことになりました。

仕事内容は、出発される方、また作業後に戻ってきた方への冷たいタオルのお渡し、飲み物・ゼリー飲料などの配付、作業後に戻ってきた用具の片づけ、飲み物の補充、段ボールの片づけ、タオル畳み等の軽作業です。比較的、余裕のある持ち場でしたので、合間でセンター作業をされている社会福祉協議会(主に筑前町・佐賀県有田町)の方のお話を伺うことが出来ました。

センターでは、県内のほか島根県、岡山県や山口県の方も活動されていました。近隣の社協の方は、ご自身の事務所で災害対応をしつつ、センターの支援も並行されており、例えば午前はセンター、午後は社協に戻られて仕事をされるなど交代で作業にあたられていました。また県外からの方々は泊りがけで支援に来られていました。

センターから見える地肌がむき出しになった山々も今回災害に遭った場所で、流れて出た大量の木が水を堰き止め大きな災害につながったことなどをお聞きしました。来る途中に目にした民家の惨状とリンクし、今回の災害の大きさを改めて思い知らされました。

また、当日はボランティアも個人受付所では150人と少なかったこともあり、「時間の経過とともに忘れ去られてしまって更に復興が遅れることが心配」ということもおっしゃっていました。災害直後は夏休みだったこともあり、ピーク時は団体、個人含め2000人以上のボランティアの方が来られていたそうです。

復興状況はというと、9月初めの段階では、家の中の土砂の片づけはだいぶ進んだものの、納屋や庭の土砂はまだそのままで、車が通れないところもあり、ボランティアのニーズの把握もできていない状況であること。また、側溝の土砂撤去には手が回らず、降雨量が少なくても氾濫する恐れがあるので早急な作業が必要な状況のようです。

それを聞いた私たちが、軽作業に回していただいてお役に立てず・・と申し訳なく思っていることを口にすると、「出来る人が出来ることを継続して協力してほしい。ここで見たこと、聞いたことを周りの方にも是非伝えてほしい。また、人が来てくれること自体が力になるので、観光に来てほしい」とおっしゃってくださいました。

こうして、自分たちに何ができるのかを考えながら作業を終了しました。まずは経済的支援をと、帰りにボランティアセンター近くの原鶴道の駅「バサロ」にて、地元の新鮮な食材を購入しました。会計時、レジの方からもボラン ティア参加のお礼を言われましたが、こちらこそたいしてお役に立てませんで・・と申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。小さな力にすぎませんが、ここで収集した情報を発信し、人を集め、継続して支援をしていこう、と共に心に決めました。

帰りの道中も丸太がそのまま放置されてある地区や、家もまだ土砂に埋まっている地区があり、更に胸の痛むような光景が広がっていました。しかし、原鶴温泉街はすでに営業を再開しており、通常通りサービスを利用することが出来るそうです。

「ボランティア活動」というと、力仕事と思いがちかもしれません。確かにそれも必要で現地ではまだまだ不足しています。ただ、現場作業だと自分にはできない(実際私たちもそうです)と思って躊躇する方もいるかもしれませんが、例えば地元のお店を利用する、特産品を購入するなどでもいいですし、被害の状況を自分の目で見る、そしてそれを誰かに伝える、それも支援のひとつだと思います。今後、現場の作業支援が必要とされることはもちろんですが、この「行く」「見る(観る)」「発信する」ということでも、支援の輪が広がるように活動を続けていきたいと思います。

 

 

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災害ボランティア(3)

8月31日,第3班(弁護士2名)が,ボランティアに参加いたしました。

朝倉市災害ボランティアセンターは,7月末に,「朝倉球場」から,「旧杷木パレス」(大きなヒマワリの看板が目印の「道の駅原鶴」の近くにある旧パチンコ店駐車場)に移転しています。

センター到着後は,第1班,第2班から聞いていたとおり,受付にてボランティア保険加入確認,名札記入(ワッペンに名前を書き,腕や帽子にペタペタ貼ります),オリエンテーションを受けます。

屋外活動に不安のある方は,このオリエンテーション後に,受付や道具管理等のセンター内での活動を行うことも出来るようなので,安心です。

そして,センターに寄せられた依頼内容の説明を聞き,自分が参加出来そうな活動に挙手(マッチングといいます)し,グループとそのリーダーを決めて,道具貸し出し,水分・タオル・軍手・塩アメ等の補給をしました。

第3班は,筑後川沿いに建つ一軒家の方からの依頼で,道路から河川敷へと続く10メートルほどの石段の上に,各段ごとに1メートルほど体積した土砂を撤去しました。

依頼者の方への挨拶後,階段と踊り場に積もった土を,地表の雑草を除去して,川沿いから地上に向けて掘り始めました。

掘り進めると,地中から複雑に絡んだ草の茎や葉が出て来て,その周囲が色合いの異なる地層になっていることから,筑後川の水と土砂が,大人の膝丈以上の高さまで流れ込み,階段沿いに生える草の上に,どさっと覆い被さったことがわかりました。

福岡県だけでなく,兵庫県,鹿児島県,大分県などから集まった男性5名,女性2名の7名で,体調を確認し合いながら,15分に1度休憩を挟みつつ,とりかかりました。水分を吸って粘度状になっている土や泥を,剣スコップ,角スコップ,鍬を駆使して掘り進め,無事に筑後川へ続く階段を復活させることが出来ました。

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写真は,第3班にて参加をした2名です。

被災地にてボランティアの助けを求めるからは,初対面の方に無償で大変な作業をお願いするため,緊張や気が引ける気持ちが態度や雰囲気に現れてしまうのは当然でしょうが,始めのうちは,どこか心がすれ違っているように感じました。
全く責められるべき立場では無いにもかかわらず,どこか「申し訳ない」,「面倒を掛けます」という印象を受けました。

第3班に依頼者をした方も,始めに挨拶をした時に,「私1人でも草や土をどけるから全部しなくていいよ。」,「暑いのにごめんなさいね。」と,遠慮がちに話されていました。

しかし,休憩の時間には,家から出てこられてお茶やお菓子の差入れをいただき,その都度,少しずつ,ご家族のことや,家を建ててから今日までの思い出などのお話しを聴くことが出来ました。

作業を初めて数時間後には楽しくお話をすることができ,帰る頃には,満面の笑みで感謝の言葉をいただきました。
作業と対話を通じて,喜ばれて,頼られる存在へと変わられたことが嬉しかったです。

普段の弁護士としての業務と同様に,ゆっくりと,依頼者の気持ちに寄り添って,安心や信頼を得ることの大切さを感じました。

しかし,福岡市内へ帰る車内からは,今回の活動を行った場所と同じ様な光景が続いていました。
まだまだ人手は必要です。
これからも,気負い過ぎず,出来ることから少しずつ,継続的な支援を行っていこうと思います。

弁護士 髙本稔久

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