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弁護士法人奔流

九州避難者訴訟団ニュースNo5が発行されました

 九州避難者訴訟団ニュースNo5が発行されました。
 第2陣提訴や署名提出など10年の節目に活動が活発になっています。
 第1陣訴訟控訴審期日が11月16日14時30分から福岡高等裁判所で行われます。
 皆さんの声を届けるべくぜひご参加をお願いいたします。

 弁護士 坂口裕亮

九州避難者訴訟団ニュース№5

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いのちに優劣はない~旧優生保護法違憲国家賠償請求福岡訴訟から②

 本ブログ5/26付けにおいても、本件訴訟についてのご紹介をしていますが、本年8/2、福岡地方裁判所にて、旧優生保護法違憲国家賠償請求福岡訴訟の第5回期日が開かれました。
 当日の法廷において、原告としては100ページ超の準備書面(計5通)を提出し、原告弁護団から私と池永修弁護士を含めた3名の代理人が意見陳述を行いました。私は、このような大きな訴訟において意見陳述をすることは初めてで、朝から緊張と気合いが入り混じっておりました。

 今回の3名の意見陳述は、大きく3つのポイントに絞って行いました。
 1つは、最高裁判所大法廷の判決に依拠しながら、国会議員に国賠法上の責任があること。2つ目は、厚生省(当時)が旧優生保護法に基づいて推進してきた優生政策の実態や優生条項の全部が削除されてからの国の対応。3つ目は、精神障碍者に対する社会からの隔離・排除政策などの精神衛生法制が、旧優生保護法と車の両輪であること。
 これらのうち、私は2つ目について、実際に準備書面の作成に携わり、意見陳述を行いました。

 私は、準備書面の作成及び意見陳述にあたり、厚生省が推進してきた優生政策について調査を進めてきました。優生手術に関する資料の多くはすでに存在していないようですが、現在残存している資料の中でも、とても信じられない記載がなされているものが多くありました。
 例えば、それらの資料の中に、ある都道府県が、優生手術の実施件数が千件を突破したことに関する記念誌を作成、発行したことが記載されているものがありました。
 当時の時代背景としては、厚生省が、優生手術の実施件数が多い都道府県を成績の良い、実施件数の少ない都道府県を成績の悪い、と評価していたという事情があり、これを受けての記念誌の作成、発行であったものと考えられます。
 私は、上記のような資料をみて、言葉にできないほどの驚きを受けましたし、同時に怒りもこみ上げてきました。関係者の皆さんにはそれ以上のものがあったことと思います。
 次回裁判は、本年10/28(木)14時から福岡地方裁判所にて予定されております。裁判後には報告集会を行っております。
 コロナ禍ではありますが、ぜひ裁判を傍聴いただき、報告集会に足をお運びいたき、一人でも多くの方に、この裁判の意義を知っていただきたいと思っています。

弁護士 花田弘美(粕屋オフィス)

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いのちに優劣はない~旧優生保護法違憲国家賠償請求福岡訴訟から

皆さんは、優生保護法下での強制不妊手術をご存じでしょうか。
人為的に優秀な子孫を産む方法で国家・民族を発展させるという思想である優生思想が、命に優劣をつけ選別をしてしまうような方向に進んだ結果、戦時中の1940年、遺伝性とみなされた障害者、病者に強制不妊手術を認める「国民優生法」が成立しました。
戦後の1948年、「優生保護法」への法改正後にも強制不妊手術の規定が引き継がれて、1996年、母体保護法への改正時に強制不妊手術の規定が削除されるまでの間、知的障害や遺伝性の疾患を有する方に不妊手術を強いることが認められていました。
本来、権利や自由を守るための法律が、差別を生み出して、助長し、遺伝性の障害を持つ方は劣等であるという不当な烙印を押し続けていたということです。
なお、この1996年は、ハンセン病患者への長きにわたる強制隔離政策を続ける根拠となった「らい予防法」がようやく廃止された年であり、その後の提訴、勝訴判決につながっています。

旧優生保護法違憲国家賠償請求訴訟は、この優生保護法下での強制不妊手術等の被害について、仙台、東京、兵庫など全国各地で提起されている裁判で、福岡でも、2019年12月24日に提起されました。
当法人からも池永修弁護士と私が弁護団に参加し、原告、支援者の皆さんと一緒に闘っています。
福岡訴訟では、不妊手術を強いられた聴覚障害のある男性と、妻の女性が原告となり、これまでに3回の裁判期日が開かれています。裁判では、強制不妊手術の是非、優生思想による差別について追及しています。
本年5月は、優生保護法と同様に、国の法律によって、ハンセン病患者が強制的に隔離されていた政策が憲法に反すると断じた2001年5月の熊本地裁判決から20年です。
今こそ、優生保護法の問題をはじめ、様々な被害、根付いた差別や偏見、障害者の方々を取り巻く生活環境について、社会全体、お一人おひとりが知ってゆくことが問われているのではないでしょうか。
次回裁判は、本年8/2(木)14時から福岡地方裁判所にて予定されており、裁判後には報告集会も行っております。ぜひ、ご参加いただき、一人でも多くの方が、この裁判の意義を知っていただけますと幸いです。

コロナ禍において、本来公開裁判であるはずの法廷に出向けない、傍聴が出来ないなどの状況でもありますが、「いのちに優劣はない」というスローガンを掲げ法廷外での支援活動も行われておりますので、皆様の多様なご支援をよろしくお願いいたします。

弁護士 花田弘美(粕屋オフィス)

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「きららの湯」をただでやるな!糸島市住民訴訟の判決が言い渡されました

本年(2021年)4月28日、「きららの湯」をただでやるな!糸島市住民訴訟の第1審判決が福岡地方裁判所で言い渡されました。

結論は、糸島市民らの請求をいずれも棄却しました。

裁判所の判断は、糸島市の主張にただただ追従するのみで、「行政の暴走を抑制する」という司法の役割を放棄したと言っても過言ではありません。

「きららの湯」は旧二丈町が設置して以来、「健康増進施設」として社会保障費の削減等に資するものとして運営が続けられてきました。実際に原告らをはじめ多くの糸島市民が「きららの湯」を利用することで健康を維持してきました。

しかし、裁判所は、「きららの湯」を利用しない糸島市民にとっては、「多額の公金を投入してまで維持すること自体が問題であると思われる」などと福祉行政を単なる「コスト」としてしか見ていません。裁判所は、「きららの湯」で糸島市民が健康を維持する必要はなく、市民が健康を損ねても構わない、そのときには社会保障費を支出すればいい、とでも考えているのでしょうか。福祉行政は市民の健康増進・維持を図ることが大前提のはずです。裁判所は福祉行政の目的を全く理解していません。そもそも福祉に用いる施設について採算性を問題にすること自体がおかしなことですが、採算性の得られない施設の維持費を削減することが地方自治体の財政健全化に資するという単純なロジックであれば、学校も、図書館も、美術館も、体育館も、およそあらゆる行政財産を投げ売りする(ただでやる)ことが許されることになります。

また、原告らは⓵「きららの湯」を無償譲渡することの是非⓶入湯料値上げの是非を主張する中で、糸島市の検討がいかに杜撰であったかを主張しました。現課長を証人尋問しましたが、「きららの湯」の価値も算定していないこと、入湯料の値上げについては譲渡を受けた民間業者の言い分を鵜呑みにしたことなどが明らかになりました。それでも、裁判所は、「裁量論」を振りかざし、糸島市の検討過程には目をつぶり、「きららの湯」を糸島市に返還させることは現実的ではないなどと述べて、原告らの請求を棄却しました。このような判断が許されるのであれば、既成事実を作られてしまえば、市民の声は一切届かないことになります。

この度の判決は残念ではありますが、原告の皆さんとは判決言い渡しの直後に控訴することを確認いたしました。

今後は、福岡高等裁判所に舞台を移し、糸島市政を正すべく、糸島市民の皆さんと活動を続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、同訴訟のこれまでの活動については、本ホームページにも掲載しておりますので、御参照ください。

きららの湯をただでやるな!糸島市住民訴訟弁護団


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福島第一原発事故から10年を迎えて

3月11日で、あの東日本大震災から10年が経過しました。

福岡市では、この週、多くの集会やシンポジウムが開催されました。

福岡市の警固公園で開催された原発ゼロ!3•11福岡集会で集会宣言(案)を起案する機会をいただきました(無事に採択されました!)。

この10年間、原発差止訴訟や避難者訴訟、被ばく労働者の労災訴訟など様々な事件に取り組んで参りましたが、まだまだ道半ばです。これらの取り組みを通じて知り合うことができた方々が私の財産です。

これから10年の決意表明として、採択された集会宣言を、ご紹介いたします。

 

弁護士 池永 修(本部オフィス・福岡市東区)

 

 

<集会宣言>

 

10年前の今日、14時46分に発生した東日本大震災に続いて、史上最大最悪の環境公害事件と評されるあの福島第一原発事故が発生しました。

セシウムだけでも広島型原爆168個分もの放射性物質が、震災直後の混乱と悲しみに包まれた被災地に降り注ぎ、関東一円を含む広範な国土も放射性物質に汚染され、ピーク時には全国約47万人もの人々が郷里を追われたとされています。

この間、政府は、生活圏に限定した形ばかりの除染を行い、帰還困難区域を除いて全ての避難指示が解除されました。補償の打ち切りと連動して半ば強制的に帰還政策が推し進められ、被災者たちは汚染された郷里に戻るか戻らざるかの選択を強いられ、被災地に新たな分断がもたらされました。

事故から10年が経過してもなお福島第一原発の廃炉作業は道半ばで、事故後に発動された原子力緊急事態宣言も維持されたままです。放射性物質に汚染された国土の大部分は除染もされずに手付かずのまま放置され、福島第一原発の敷地は我が国の原子力政策の終焉を象徴するように行き場のない汚染水に満たされたタンク群に埋め尽くされています。無論、人生を大きく歪められた被災者に対する補償の問題も未だに決着をみていません。

それでもなお、政府は、事故後の技術革新により再生可能エネルギーが国内外で爆発的に普及するなかにあって、未だに原子力発電という過去の遺物に固執し、再生可能エネルギーの主力電源化への潮流を妨げています。

私たちは、福島第一原発事故から10年の節目を迎えるにあたって、さまざまな思想・信条、立場や利害を超えて今日ここに集い、福島第一原発事故が今もなお続いているとの認識を新たにし、福島第一原発事故を決して風化させることなく、次の目標の実現に向けてともに前進していくことを決意しました。

 

▶私たちは、原発再稼働、老朽原発稼働延長、原発新増設に反対し、すべての原発の稼働停止と廃炉を求めます。

▶私たちは、国や東電に対して福島第一原発事故被害への完全なる救済、賠償と、生活再建や環境回復、健康被害対策などに責任を果たすことを求めます。

▶私たちは、放射能汚染水を海洋に放出しないことを求めます。

▶私たちは、核燃料サイクル政策をやめ、プルトニウムを利用しないことを求めます。

▶私たちは、九州電力による太陽光や風力などの再エネ出力抑制に反対し、それらを優先接続することを求めます。

▶私たちは、放射能もCO2も出さない脱原発・脱炭素社会の実現を求めます。

 

2021年3月11日

原発ゼロ!3•11福岡集会 参加者一同

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福島原発事故被害救済九州訴訟の第1審判決が言い渡されました

6/24、福島第一原発事故を受けて九州に避難をされた方々への賠償を求めて提訴をした「福島原発事故被害救済九州訴訟」の第1審判決が言い渡されました。

被告は、国と東京電力ホールディングス株式会社です。

福岡地方裁判所は、国の責任を否定しました。その理由の一つとして万全の津波対策を執るには経済的に限界があったということを挙げています。裁判所は大きな勘違いをしていると思います。万全の津波対策が執れないのであれば、原発を稼働させること自体が問題ではないでしょうか。ひとたび原発事故が発生してしまえば取り返しのつかない被害が生じることは自明だったはずです。

また、裁判所は東京電力の責任は認め、一定額の賠償金の支払いを命じました。しかし、その金額は、避難者の方々が長期にわたって被ってきた甚大な被害を真正面から受け止め評価したものとは到底言えません。

ただ、ここで判決への批判を述べても何かが変わるということはありません。私自身、避難者の方々の被害実態、切実な想いを十分に裁判所へ届けることができなかったのではないかと反省しています。

この反省は必ず控訴審で生かし、原告の皆さんだけでなく広く避難者の救済の道が開けるよう努力していきたいと考えています。

皆様におかれましては、可能な範囲で構いませんので、ご厚志(カンパ)を賜りたくお願い申し上げます。ご支援、ご協力をいただけますと幸いです。カンパの際は、下記口座あてお願いいたします。

弁護士 坂口 裕亮(朝倉オフィス)

 

【カンパ振り込み先】

福岡銀行 赤坂門支店 普通預金  2058006

九州避難者訴訟 会計 近藤 恭典

キュウシュウヒナンシャソショウ カイケイ コンドウ ヤスノリ

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目指すべき「復興」とは~災害NGO結・前原土武さん講演会が開催されました

当ブログでもご案内しておりましたが、10/27(日)14時から朝倉市杷木の杷木地域生涯学習センター(らくゆう館)にて、原発なくそう!九州玄海訴訟・あさくら原告の会と、脱原発・自然エネルギーを求める朝倉住民の会の共催により、災害NGO結(yui)代表・前原土武(とむ)さんの講演会が開かれました。

前原さんは、日本全国の自然災害の被災地で、支援活動の最前線に立って支援をされている方です。講演会当日も、台風19号の被災地に入られており、残念ながら会場へお越しいただくことが出来ず、急きょskypeによる講演会となりました。
前原さんには、災害直後、復旧期、復興期と各ステージごとに必要となる支援内容などを実体験を交えてお話しいただきました。

また、後半では、前原さん、九州北部豪雨の被災者の方1名、ボランティア杷木ベース・特定非営利活動法人YNFの方各1名とのパネルディスカッションが行われました。
パネルディスカッションでは、九州北部豪雨発災から現在に至るまでの復興状況やそれぞれの支援活動のご報告を頂くとともに、発災から2年を経過した今、生活再建や復興のために市民・行政に求められること等について意見交換が行われました。

今回の講演会を受けて、「復興」とはどういうものなのか改めて考えさせられました。前原さんもおっしゃっていましたが、今後は地元住民による支援がカギとなってくると思いますので、当法人も一層尽力したいと思います。

弁護士 坂口裕亮(朝倉オフィス)

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玄海原発3・4号機 9/25福岡高裁即時抗告不当決定についての声明~原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団

本日、福岡高等裁判所第5民事部(山之内紀行裁判長)は、九州電力玄海原子力発電所3・4号機の運転差し止め仮処分申立事件の即時抗告審において、棄却決定を行った。
本決定では、8年半前から今なお続くフクシマの被害についての具体的な言及が全く行われていない。3.11事故は、原発安全神話が幻想にすぎなかったことを我々に直視させ、ひとたび原発事故が発生すると、数世代にわたって築かれてきた市民の平穏な日常生活が一瞬にして根こそぎ奪われるという冷酷な事実を示した。3.11事故後に原発差止め裁判を担当する裁判所には、フクシマの被害をどのように受け止め、3.11事故を繰り返さないために課せられた司法の役割をフクシマの被害者をはじめとする国民に対して示す責任がある。このような責任を放棄し、フクシマの被害に全く言及しない現実無視の姿勢こそが、本決定の特徴だといえる。
我々は、仮処分の申立て段階から、様々な事実に基づき玄海原発の危険性を主張してきた。
ところが、本決定で争点となった基準地震動の策定方法の問題、火山噴火の影響評価、水素爆発及び水蒸気爆発に関する決定内容は、九州電力の主張や原子力規制委員会が作成した「実用発電用原子炉に係る新規制基準の考え方について」を、事実上、書き写したものに過ぎない。このような判断は、原子力規制委員会の判断にお墨付きを与え、新たな原発安全神話を作り出すことになりかねず、失望の念を禁じえない。また、避難計画に実効性がないために過酷事故発生時に周辺住民の安全確保が不可能であることや、特定重大事故等対処施設の完成が大幅に遅れる見込みでテロ攻撃に対して極めて脆弱な状態にあることといった玄海原発の危険性が顕著に表れている2つの争点について、本決定は、我々の主張に対して正面から向き合おうとせずに、不都合な真実から目を背けている。
裁判所は、人権擁護の最後の砦であるから、原子力規制委員会をはじめとする他の行政機関とは独立して独自に危険性を判断する責任を負っている。ところが、本決定は、我々が主張した具体的危険性を真摯に検討した形跡がうかがえず、玄海原発の危険性を示す事実を無視した行政追従の判断だと評価せざるを得ない。
本決定は、裁判所の責任を放棄し、3.11事故前の司法判断かと見紛うばかりの判断であり、断じて受け入れることはできない。
フクシマの悲劇を二度と繰り返さないために、我々は、玄海原発3・4号機が廃炉となる日まで、今後も闘い続けていく。

2019年9月25日

原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団

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樋口元裁判官講演会、今週土曜日開催です

すでに本ホームページでもお知らせしておりました
「大飯原発差し止め判決を下した樋口元裁判官講演会」、今週土曜日の開催です。ぜひお越しください。

日時:2019年8月31日(土)
   14:00~16:15(13:30開場)
会場:福岡県弁護士会館大ホール(福岡市中央区六本松4-2-5)
福岡市営地下鉄「六本松」1番出口、西鉄バス「六本松」から徒歩3分
参加費:500円
内容:講演「あの判決にこめた私の考えと思い」
講師 樋口 英明 氏(元福井地方裁判所裁判官、2017年定年退官)
主催:8.31樋口英明さん講演会実行委員会
連絡先:青柳行信(原発とめよう!九電本店前ひろば 080-6420-6211)
    東島浩幸(佐賀中央法律事務所 0952-25-3121)

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ハンセン病家族訴訟勝訴判決

img_31816月28日、熊本地方裁判所が、ハンセン病の病歴者家族561名が原告となって国を相手に損害賠償などを求めた訴訟において、ハンセン病隔離政策が病歴者本人のみならず家族らに対しても違法な人権侵害であったことを認める判決を言い渡しました。
私も弁護団の一人として、原告やたくさんの支援者の方と一緒にこの判決の言い渡しに立ち合いました。
この判決は、厚生大臣及び国会議員の責任を認めただけではなく、らい予防法廃止後にも厚生及び厚生労働大臣、法務大臣、文部及び文部科学大臣に対し、家族に対する差別偏見を除去すべき義務に反した責任を認めた画期的なものです。
また、裁判所は、家族たちが差別を受ける地位に置かれ、また家族関係の形成を阻害されたとして、憲法13条の保障する人格権侵害及び憲法24条の保障する夫婦婚姻生活の自由の侵害により家族たちに共通する損害が発生したことを認めました。
家族の方の被害は多様で、一部原告の方の賠償や、生涯にわたって大きな影響を受けられた方に対し十分な賠償額は認められなかったため「全面勝訴判決」とはいえませんでしたが、原告本人尋問や原告の意見陳述が裁判所を動かしたのだと感じました。
幼少期に父が入所した後、父が亡くなるまで離れて生活し、周囲の目を気にして結婚式にも呼べず、頻繁に会うこともできなかったという原告さんは、ラジオで判決の一報を聞いて涙が止まらなかった、亡くなった母にも聞かせたかった、とおっしゃり私も胸がいっぱいになりました。
今後は、国に控訴断念を迫り、差別・偏見の解消や家族関係の回復に向けた施策の協議の開始を求めていきます。ぜひ関心を持っていただき、ご支援をいただければと思います。

弁護士 小出 真実(宗像オフィス)

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