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弁護団活動

「きららの湯」をただでやるな!糸島市住民訴訟の判決が言い渡されました

本年(2021年)4月28日、「きららの湯」をただでやるな!糸島市住民訴訟の第1審判決が福岡地方裁判所で言い渡されました。

結論は、糸島市民らの請求をいずれも棄却しました。

裁判所の判断は、糸島市の主張にただただ追従するのみで、「行政の暴走を抑制する」という司法の役割を放棄したと言っても過言ではありません。

「きららの湯」は旧二丈町が設置して以来、「健康増進施設」として社会保障費の削減等に資するものとして運営が続けられてきました。実際に原告らをはじめ多くの糸島市民が「きららの湯」を利用することで健康を維持してきました。

しかし、裁判所は、「きららの湯」を利用しない糸島市民にとっては、「多額の公金を投入してまで維持すること自体が問題であると思われる」などと福祉行政を単なる「コスト」としてしか見ていません。裁判所は、「きららの湯」で糸島市民が健康を維持する必要はなく、市民が健康を損ねても構わない、そのときには社会保障費を支出すればいい、とでも考えているのでしょうか。福祉行政は市民の健康増進・維持を図ることが大前提のはずです。裁判所は福祉行政の目的を全く理解していません。そもそも福祉に用いる施設について採算性を問題にすること自体がおかしなことですが、採算性の得られない施設の維持費を削減することが地方自治体の財政健全化に資するという単純なロジックであれば、学校も、図書館も、美術館も、体育館も、およそあらゆる行政財産を投げ売りする(ただでやる)ことが許されることになります。

また、原告らは⓵「きららの湯」を無償譲渡することの是非⓶入湯料値上げの是非を主張する中で、糸島市の検討がいかに杜撰であったかを主張しました。現課長を証人尋問しましたが、「きららの湯」の価値も算定していないこと、入湯料の値上げについては譲渡を受けた民間業者の言い分を鵜呑みにしたことなどが明らかになりました。それでも、裁判所は、「裁量論」を振りかざし、糸島市の検討過程には目をつぶり、「きららの湯」を糸島市に返還させることは現実的ではないなどと述べて、原告らの請求を棄却しました。このような判断が許されるのであれば、既成事実を作られてしまえば、市民の声は一切届かないことになります。

この度の判決は残念ではありますが、原告の皆さんとは判決言い渡しの直後に控訴することを確認いたしました。

今後は、福岡高等裁判所に舞台を移し、糸島市政を正すべく、糸島市民の皆さんと活動を続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、同訴訟のこれまでの活動については、本ホームページにも掲載しておりますので、御参照ください。

きららの湯をただでやるな!糸島市住民訴訟弁護団


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ゴールデンウィークを前にして国民の祝日を考える

日本では毎年4月末から5月初めにかけての大型連休をゴールデンウィークと呼びますが、この時期にある国民の祝日には以下があります。

・昭和の日(4月29日)
・憲法記念日(5月3日)
・みどりの日(5月4日)
・こどもの日(5月5日)

国民の祝日は「国民の祝日に関する法律」によって定められているとのことで読んでみました。

その法律の第一条には、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」と書かれています。

さらに第二条には、現在16ある国民の祝日の趣旨が定められていました(以下抜粋)。

・昭和の日:4月29日
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
・憲法記念日:5月3日
日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
・みどりの日:5月4日
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
・こどもの日:5月5日
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。

なるほど、日本の文化や風習、歴史を祝い感謝するための祝日であることがわかりました。こどもの日はこどものための日だと思っていましたが、「母に感謝する」日でもあったのですね。

今年は2度目のコロナ禍でのゴールデンウィークです。この国民の祝日をどう有意義に過ごすか…考え中です。

本部オフィス(福岡市東区)事務局W

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花見と終活

先週末、実家に帰省した際に父母と一緒に近くの公園へ桜見に行きました。

前日から降り続いた雨で、花は散り見ごろを過ぎてしまっていましたが、それでも半分くらいの花は残っていました。70歳を過ぎた父母は畑いじりを趣味に足腰も丈夫にしており、この日も公園内をスタスタと楽しげに歩いていました。10年ほど前に父が緊急入院して心臓の手術をした時はどうなることかと思いましたが、あれから何度か救急車のお世話になりながらも今こうしていることに感謝の思いで公園を後にしました。

ほっこりした気分で家に戻ると、父あてに父の従妹から電話が入りました。久しぶりの挨拶から一転、まじめな顔で電話が終わったので何の話か尋ねると、「納骨堂の話」とのことでした。先祖が入っている納骨堂が老朽化しお引越しをされる方が多く、我々はこの先どうしたものか?という相談のようでした。元気に感謝、と同時に避けては通れない大事な話。お寺にはもうほかにお墓の空きはなく、このままではどこか他の土地への引越しも考えざるを得ない状況だそうで「自分の一存で先祖を連れて故郷を離れるのか…しかし自分の生きている間には解決しておきたい」という複雑な思いがあるようでした。

いま現在の私からすると、「お墓、移ってもいいのでは…?」と思ってしまうのですが、いざ自分がその立場になったとして、確かに難しい決断かもしれません。父が若い頃には思いもしなかった問題がいま起こり、私がいま思いもしないことがこの先起こるかもしれないのだから、いま父が直面している納骨堂の話を一緒に真剣に考えようと思いました。終活などという最近のワードは田舎者の父は知らないと思いますが、終活を父母の代任せにせず、ともに考えていきたいと思った先週末でした。

本部オフィス(福岡市東区)事務局K

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福島第一原発事故から10年を迎えて

3月11日で、あの東日本大震災から10年が経過しました。

福岡市では、この週、多くの集会やシンポジウムが開催されました。

福岡市の警固公園で開催された原発ゼロ!3•11福岡集会で集会宣言(案)を起案する機会をいただきました(無事に採択されました!)。

この10年間、原発差止訴訟や避難者訴訟、被ばく労働者の労災訴訟など様々な事件に取り組んで参りましたが、まだまだ道半ばです。これらの取り組みを通じて知り合うことができた方々が私の財産です。

これから10年の決意表明として、採択された集会宣言を、ご紹介いたします。

 

弁護士 池永 修(本部オフィス・福岡市東区)

 

 

<集会宣言>

 

10年前の今日、14時46分に発生した東日本大震災に続いて、史上最大最悪の環境公害事件と評されるあの福島第一原発事故が発生しました。

セシウムだけでも広島型原爆168個分もの放射性物質が、震災直後の混乱と悲しみに包まれた被災地に降り注ぎ、関東一円を含む広範な国土も放射性物質に汚染され、ピーク時には全国約47万人もの人々が郷里を追われたとされています。

この間、政府は、生活圏に限定した形ばかりの除染を行い、帰還困難区域を除いて全ての避難指示が解除されました。補償の打ち切りと連動して半ば強制的に帰還政策が推し進められ、被災者たちは汚染された郷里に戻るか戻らざるかの選択を強いられ、被災地に新たな分断がもたらされました。

事故から10年が経過してもなお福島第一原発の廃炉作業は道半ばで、事故後に発動された原子力緊急事態宣言も維持されたままです。放射性物質に汚染された国土の大部分は除染もされずに手付かずのまま放置され、福島第一原発の敷地は我が国の原子力政策の終焉を象徴するように行き場のない汚染水に満たされたタンク群に埋め尽くされています。無論、人生を大きく歪められた被災者に対する補償の問題も未だに決着をみていません。

それでもなお、政府は、事故後の技術革新により再生可能エネルギーが国内外で爆発的に普及するなかにあって、未だに原子力発電という過去の遺物に固執し、再生可能エネルギーの主力電源化への潮流を妨げています。

私たちは、福島第一原発事故から10年の節目を迎えるにあたって、さまざまな思想・信条、立場や利害を超えて今日ここに集い、福島第一原発事故が今もなお続いているとの認識を新たにし、福島第一原発事故を決して風化させることなく、次の目標の実現に向けてともに前進していくことを決意しました。

 

▶私たちは、原発再稼働、老朽原発稼働延長、原発新増設に反対し、すべての原発の稼働停止と廃炉を求めます。

▶私たちは、国や東電に対して福島第一原発事故被害への完全なる救済、賠償と、生活再建や環境回復、健康被害対策などに責任を果たすことを求めます。

▶私たちは、放射能汚染水を海洋に放出しないことを求めます。

▶私たちは、核燃料サイクル政策をやめ、プルトニウムを利用しないことを求めます。

▶私たちは、九州電力による太陽光や風力などの再エネ出力抑制に反対し、それらを優先接続することを求めます。

▶私たちは、放射能もCO2も出さない脱原発・脱炭素社会の実現を求めます。

 

2021年3月11日

原発ゼロ!3•11福岡集会 参加者一同

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1/20 事務職員研修

コロナ禍でなかなか開催できなかった事務職員研修ですが、今回WEBにて、当法人の木下淑文社会保険労務士を講師に迎え開催されました。

テーマは「社会保険」。社会保険とは何か、どうしてこのような仕組みがあるのか、社会保険の種類や加入要件、保険料の仕組みや主な給付(年金を除く)について学びました。また、給与から毎月天引きされている社会保険料の算定の仕方について、実際に給与明細と保険料額表を見ながら確認しました。

社会保険は社会保障制度の一つで国民の生活に深く関わり耳にする機会も多く何となくは理解しておりましたが、特に労働問題とも関わりの大きい労働保険(雇用保険、労災保険)については、失業と離職の違いや離職理由の重要性、各種要件等、知っているようで知らなかったことも多く勉強になりました。

年金制度についても、複雑で難しく感じ苦手意識があるため今後学んでいきたいです。

今回の研修で学んだことを実務にも生かしたいと思います。

 

本部オフィス(福岡市東区)事務局Y

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新年にあたり

昨年の緊急事態宣言解除後も、本部オフィスでは時差出勤とローテーション勤務がつづき、週に2~3日は在宅ワークとなっています。
よく耳にするケースではありますが私の場合も、在宅時の仕事がほぼパソコンの前で完結するため、出勤時に比べ活動量が大幅に減ってしまい、また一人暮らしのため、誰とも会話を交わさないという日もあります。

こうした中で迎えた年末は、実家が高齢者の多い地域ということもあり帰省をあきらめ、ちょっとホームシック気味だったこともあるかもしれません。新年を迎えるにあたり招き猫を購入し、テレビで富士山からの初日の出を拝み、三が日は避けて近所の神社へ詣でてお守りを受け、心のケアに励みました。
そして今は、もっと運動した方がいいよねとは思いつつも、ラジオ体操を続ける毎日です。

福岡も二度目の緊急事態宣言の対象に追加されることになり、先は見えませんが、なんとかおりあっていくしかないですよね。

本部オフィス(福岡市東区)事務局S

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年始のご挨拶(本部オフィス・福岡市東区)

昨年はコロナ禍により、社会生活や業務に多大な影響が生じましたが、その反面、裁判所においてもインターネットを利用したウェブ会議が多用されるようになり、当事務所でもテレワークを導入したり、これまでの働き方を見直す良いきっかけともなりました。

今年も、変化を恐れず、新しいことを取り入れながら、日々精進したいと存じます。

弁護士 池永真由美

 

 

昨年6月には、「福島原発事故被害救済九州訴訟」で国と東電を免責する判決が出てしまいました。今年からは高裁での闘いが始まります。

挽回には多くの方々からの物心両面の支援が必要です。そこで、昨年10月より、クラウドファンディング「プロジェクト~福島原発事故被害救済を支える会~へようこそ!」が始まりました。月500円から参加できます(詳細は当法人HP参照)。まだまだまだまだ参加できますので、宜しくお願いします!

弁護士 甫守一樹

 

 

昨年は、集団訴訟の提訴、境界紛争、親権者変更など、これまで経験したことのない事件に携わることができ、また、コロナによる在宅ワークや新人弁護士の指導役という初めての経験をすることができました。新しいことや変化に対応することはつらいことも多いですが、未知との遭遇は新たな発見ばかりです。今年も色々発見したいと思います!

弁護士 松嶋健一

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年末に向けて

年の瀬となりましたが皆様どのようにお過ごしでしょうか。

福岡市東区にある本部オフィスでは、最近なかなか職員が揃ってまとまった時間を取ることができなかった、事務所の年末大掃除をすべく動いています。今年はコロナ感染防止策として日常的にも事務所内で除菌や換気等の対策をとても意識した1年でした。年末大掃除では日頃手が行き届かない所を重点的に「今年の汚れは今年のうちに!」と意気込んで取り掛かりたいと思います。よって(おそらく、いやきっと)新年は気持ち良く迎えられる(はず)、そして皆様にも安心してお越しいただけるようにと思っています。

今年も残すところ僅かとなりました。コロナワクチンという少し明るいニュースも聞かれますが、来年はもっと安らかに過ごせる日々が訪れますよう願うばかりです。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

【年末のご相談について】
本部オフィスでは12/28(月)まで法律相談を受けておりますので、
ご希望の方はお電話にてご予約ください(TEL:092-642-8525)。

本部オフィス(福岡市東区) 事務局W

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3人が4人になったわけ(弁護団所属弁護士のつぶやき)

転居に伴い福岡県弁護士会に登録替えして1年、ようやく存在が認知されてきたのか、「福島原発事故被害救済避難者訴訟」の弁護団に入れていただきました。
そして奔流内でも、原発担当という役割を振られた私(甫守)。
さっそく奔流の年賀状でこの訴訟のクラウドファンディングを広報することになり、アクセスしてみると…。

なんとメンバーは3人! 1回消してアクセスしても3人!(←当たり前。)
ちょっと、いくら何でも少な過ぎじゃ。たしか、名古屋地裁でやっている高浜・美浜の老朽原発訴訟は、クラウドファンディングですぐに目標達成できたはず。
しかも、メンバーの1人は奔流、もうお1人もお知り合いの方だとか。
これは、まだまだですね…。

え? メンバー増やしたいならあなたが入ればいいじゃないか、ですって?(※天の声)
それはそうですが、このクラウドファンディング、毎月定額で募金するようなシステムになっていますよね。私個人としてはずーっとお金が引かれていくことになるって、結構ツライ。永遠にってことはないとしても、いつまで引かれるのか分からないし。妻にも何と言われるか…(グジグジ)。
え? じゃあ1回参加したらすぐに退会すればいいじゃないかって?(※天の声)
そうか! その手があったか! 1回だけなら、普段から夫のクレジット明細にチェックを入れてくる妻も多めに見てくれるかも。

ということで、元来の趣旨とは違うかもしれませんが、当弁護団では、
1回だけ(1ヶ月分だけ)寄付したいという方でも大々歓迎です!!
やってみたら退会の仕方も簡単。下記のページを見てください。

コミュニティの退会方法を教えてください。

もちろん、すぐに退会しない参加も大々々歓迎。
何はともあれ、まずは、下記「プロジェクト ~「福島原発事故被害救済九州訴訟」を支える会~ へようこそ!」へのアクセスから。よろしゅうお頼み申します。

プロジェクト ~「福島原発事故被害救済九州訴訟」を支える会~ へようこそ!

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「福島原発事故被害救済避難者訴訟」については、12/2のブログでもクラウドファンディング参加のお願いを掲載していますが、福島第一原発事故から9年が経過したにもかかわらず、原告らを含む原発事故被害者に対する賠償その他救済措置は、その程度、範囲において、極めて不十分・限定的なものにとどまっています。
原告団、弁護団は、被告らに対し、すべての被害者に対するあるべき賠償を求め、今後もたたかいを継続する決意です。
どうか皆様のご支援を宜しくお願い致します。

弁護士 甫守 一樹(本部オフィス・福岡市東区)

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最新解決事例のご紹介~相続

 被相続人が生前届出ていた養子縁組届について、かかる養子縁組は無効であるとして、養子縁組無効確認訴訟を提起された事件(こちらは被告側)について、福岡家庭裁判所において、原告の請求が判決でいずれも棄却され、確定した事例をご報告します。
なお、過去の解決事例については、当ホームページにも掲載しています。

<事例分野>相続
<解決年度>2020年
 本件は、被相続人が生前に被告を養子とする養子縁組を届出した事案において、被相続人の死後、原告から本件養子縁組の無効確認訴訟が提起されました。
原告は、養子縁組届出当時、被相続人が認知症であり縁組能力がなく、また被相続人が被告と縁組する意思がなかったと主張していました。
これに対し、被告は、被相続人の養子縁組届出の能力を立証するため、被相続人の入院していた医療機関のカルテや介護施設の生活状況をもとに、丹念に主張立証しました。
また、被相続人と被告との長年にわたり懇意にしていたこと、また被相続人の縁組意思を推測する手紙等により、縁組意思もあったと主張立証しました。
その結果、判決は、被告の主張した事実関係を全面的に認めた上、養子縁組当時、被相続人には、被告を養子とする縁組能力も意思も能力もあった、本件養子縁組は有効であると判断し、原告の請求をいずれも棄却するという判決を下しました。その後、原告が控訴することはなく本件は確定しました。

弁護士 池永真由美(本部オフィス、福岡市東区)

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